2013年のプラチナ価格、前年比662円高の4740円/g…田中貴金属

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販売量と買い取り量の推移とプラチナ価格
  • 販売量と買い取り量の推移とプラチナ価格
  • プラチナ地金の販売量指数とプラチナ価格(税抜き小売)推移

田中貴金属工業は、2013年(1-12月)の年間資産用プラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。

プラチナ地金の2013年における国内価格の平均は4740円/gで、2012年の年間平均価格4078円/gを700円近く上回った。

2013年のプラチナ価格は、南アフリカの大手鉱山会社による減産発表や、労使間での紛争懸念を要因とした供給不安を背景に、2月には年最高値となる5305円/gをつけた。3月以降は、中国における宝飾需要や米国の好調な新車販売が下支えとなりつつも、プラチナ触媒を多く使用するディーゼル車需要の高い欧州での経済低迷により実需が伸び悩んだことなどから、徐々に価格を下げた。8月に入ると、南アフリカの大手鉱山会社での労働争議懸念が再燃したことで一時価格を上げたが、9月以降は中国やインドにおける自動車販売の伸び悩みと、金価格の下落に同調したことを背景に価格を下げ、12月20日には4488円/gとなった。

プラチナ地金の販売量は、2013年上期(1~6月)に前年同時期と比べて30.0%減少し、下期(7~12月)は前年同時期と比べて29.9%減少した。通年では、2012年に比べ30.0%減少となった。買取量は、上期が前年同時期と比べて約2.3倍、下期は前年同時期に比べて33.6%減少。通年では2012年に比べて32.7%増加となった。

2013年のプラチナ買取量は、プラチナ価格に敏感に反応し、年初と8月に増加した。昨年に比べて700円以上も年平均価格が上回る高値圏で価格が推移したことから販売量は減少したが、取扱量がプラチナ価格に敏感に反応していることから、一般からの関心の高さがうかがえる。

2013年12月下旬から2014年1月上旬にかけて、世界景気の回復に伴う産業用需要が増加する期待が高まったことで、プラチナ価格は上昇し、再び5000円/gをうかがう気配をみせている。今後は米国やディーゼル車需要の高い欧州の景気回復による需要動向、南アフリカの大手鉱山会社による労使交渉を背景とした供給動向に、市場の注目が集まることが予想される。

《纐纈敏也@DAYS》

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