NTNは11月19日、ステアバイワイヤ操舵システムの技術を後輪転舵にも応用し、左右一体型でありながら、トー角制御が可能な「後輪独立転舵システム」を開発したと発表した。
自動車の後輪転舵は、高速走行時における車両安定や、中・低速走行時のコーナリング性能を向上させる機構で、すでに一部の高級車に搭載されている。後輪転舵の駆動には、電動アクチュエータが用いられ、後輪の左右を一括して1つのアクチュエータで転舵する「左右一体型」と、左右それぞれにアクチュエータを配置して転舵を行う「左右独立型」の2つの方式がある。
左右一体型では、前輪に対して後輪を同位相、あるいは逆位相に転舵する機能だけで、トーイン、トーアウトなどのトー角制御の機能はない。また、左右独立型は、ばね下重量が増加するため、乗り心地に悪影響するなど走行性能が低下する課題があった。
今回NTNが開発した「後輪独立転舵システム」は、ステアバイワイヤ操舵システムの開発で培った技術を応用することで、左右一体型でありながら後輪転舵に加えてトー角制御が可能。さらに、アクチュエータは車両側に設置するため、ばね下重量の増加がなく、乗り心地への影響もないという。