日産自動車が11月11日に発表した新型『スカイライン』は、ダイレクト アダプティブ ステアリングと名付けたステアリングバイワイヤ技術を初搭載している。車両開発責任者の長谷川聡チーフビークルエンジニアは「スカイラインに的を絞ってずっと開発してきた」と語る。
長谷川氏は「我々にとってみればかなりチャレンジングな技術。(実用化までに)都合10年かかっている」と明かす。
というのも「ハンドルとタイヤが離れているかこそ、路面の状態をどうやってドライバーに伝えたらいいか、ドリフト状態にはいった時に、いかに自然にドライバーに伝えるか、そこが重要な技術で、これがないとステアリングバイワイヤはテレビゲームと同じになってしまう」からだ。
このため「かなりの量、色んな地域で走らせた。寒いところではアラスカ、温かいところではアリゾナ、また高速走行ではニュルブルクリンク。実験車は何台かあるが走行距離全体にして120万km。これは通常の倍以上」という。
また「『フーガ』や『シーマ』に搭載できないかという要請があったが、我々は熟成させてからやろうと考え、この新型スカイラインに的を絞ってずっと開発してきた。なによりこの車が一番合う技術。スポーティな走り、気持ちよくすっと走るというのは、昔からスカイラインの得意分野なので、そうした走りを際立たせる技術」と語った。