宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、内之浦宇宙空間観測所から惑星分光観測衛星(SPRINT-A)を搭載したイプシロンロケット試験機の打上げに成功した。
イプシロンロケットは、9月14日14時00分に正常に打上げられた。
イプシロンロケットは8月27日に打上げられる予定だったが、打上げ直前にロケット姿勢に関するデータに不具合を検知したため、自動停止した。このため、点検を実施して問題が無いことを確認して9月14日に打上げた。
イプシロンロケットは高性能と低コストの両立を目指す12年ぶりに開発された新時代の固体燃料ロケット。1段目にはH-IIAロケット用補助ブースターを活用、一方2段目と3段目には世界最高性能と言われるM-Vロケットの上段モータを改良して使った。
イプシロンロケットは、国産固体ロケット技術の集大成であり、ペンシルからM-Vまでの半世紀に蓄積された知恵と技術を込めて開発した。
打上げ費用は約38億円と旧型機の半分程度。組み立てや点検、運用が効率的で、高頻度の打上げが可能な次世代宇宙輸送システムとして今後、海外向けロケットビジネスとして売り込む。