日産自動車は年内にブラジルにデザイン事務所を新設する。米カルフォルニア州アーバインで開催中の「日産360」イベントで、ニッサンデザインアメリカ(NDA)の上田太郎バイスプレジデントが取材に応じ、明らかにした。
日産は現在、厚木、サンディエゴ、ロンドン、北京にデザインセンターを構えているが、「アメリカ人やヨーロッパのデザイナーが思いつかなかったような発想、着想がブラジルにはあるという期待値を持っている。ゼネラルモーターズなどブラジルで成功しているメーカーは大きなデザイン拠点を構えている」と、上田氏はブラジルにデザイン事務所を新設する理由を語った。
さらに「例えば『マーチ』をそのままブラジルに持ってきても一部の人には受けるが、やはり無理がある。基本要件を外さないで強いデザインをやるためには、デザイナーが現地にいて、みないといけない。それをやるだけの価値がある市場だと思っている」とも述べた。
デザイン事務所は、現地法人のブラジル日産の中に構え、「2~3人程度でスタートして、まずは形やデザイン、テイスト、技術などどのようなものが彼らにとって最も魅力に感じるかという情報を集めるのが主な仕事になる。さらにブラジルでクリエーティビリティの高い人材や環境があることが確認されれば、そこにチームを立ち上げてデザインプロジェクトを提案できるような機能を持たせたい」としている。