気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年8月1日付
●TPP部分合意「10月公表」、米打診、日本は「一括で」 (読売・1面)
●ガソリン高値158.8円 (読売・8面)
●輸出企業円安で好決算(読売・9面)
●パナソニック大幅増益、リストラ効果年間配当は「未定」 (毎日・9面)
●日米で販売好調営業利益4倍強 (毎日・9面)
●8月値上げ夏休み直撃、円安,原価高騰,それに猛暑(東京・3面)
●ホンダ7%減益、為替予約で損失、4~6月期 (東京・7面)
●公開前夜の入場を導入、東京モーターショー(日経・12面)
●国内新車販売500万台、今年見通し、年初予想上回る(日経・13面)
●インド部品調達共通化、スズキ、二輪車と四輪車で (日経・13面)
●トヨタ系5社上方修正、下期は警戒感も(日経・13面)
ひとくちコメント
営業利益が、マツダ20倍、富士重工業4倍、東芝2.1倍などと、20年前のバブル期を彷彿させるような倍々ゲームの決算である。
東京証券取引所に上場する3月期決算企業の2013年4~6月期決算の発表がピークを迎えたが、「アベノミクス」による景気改善や円安を追い風に、輸出企業を中心に好決算が相次いでいる。
SMBC日興証券によると、7月30日までに決算発表を終えた1部上場の329社の最終利益の合計は、前年同期に比べて52.3%増の2兆660億円と大幅に増加。本業のもうけを示す営業利益の合計も16.7%増の2兆3200億円と伸び、企業業績の改善が鮮明となっている。
きょうの読売、毎日、産経などが「上場企業、営業益16.7%増」(毎日)などと経済面のトップで報じている。収益を押し上げた大きな要因はいうまでもなく為替修正。ホンダは、為替レートが前期に比べ、19円の円安ドル高に推移し営業利益ベースで829億円の為替差益を計上。輸出比率の高いマツダや富士重工も為替の恩恵を受けての好決算だった。
ところが、株式市場の反応は逆効果。マツダや富士重工なども株価は下落した。理由は「収益改善が事前の市場予想に届かなかったこと」などが大きい。業績見通しを据え置いたマツダの藤本哲也執行役員も決算発表の席では「慎重に見極めたい」と、「慎重」という言葉を連呼したほどである。
日経は「慎重すぎる業績予想」(国内証券)はネガティブに受け止められる可能性もあると指摘する。一方で、羹に懲りて膾を吹くスタンスのマツダにとっては、為替や株価の動向に一喜一憂することのないような地に足をつけた経営が求められる。