川崎重工、イプシロンロケット試験機用フェアリングをJAXA内之浦宇宙空間観測所に出荷

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川崎重工、イプシロンロケット用フェアリングを出荷
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川崎重工業は5月23日、イプシロンロケット試験機用フェアリングを岐阜工場(岐阜県各務原市)で設計・部品製造して播磨工場(兵庫県播磨町)で組立後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所に向けて出荷したと発表した。

フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空気抵抗、空力加熱、音響(振動)などの過酷な環境から衛星を保護する。

今後、内之浦宇宙空間観測所でイプシロンロケット試験機に組み込まれる。

同ロケットは、JAXAが中心となって開発した惑星分光観測衛星(SPRINT-A)を搭載する予定で、8月22日の打ち上げに向けて準備作業が進められている。

今回出荷したフェアリングは、イプシロンロケット用に開発した、直径2.5メートル、長さ9.2メートルのクラムシェル型のフェアリング。内部に格納された衛星などにアクセスするドアの開閉作業を容易にすることにより、打ち上げ前の衛星へのアクセス可能時間を拡大させるなど、運用性の向上を図った。

また、コーン・シリンダ半殻一体構造や水没性パネル、貼付式断熱材を採用することで、打ち上げコスト低減にも寄与している。

川崎重工は1993年にH-IIロケット向けにフェアリングを納入したのを皮切りに、H-IIロケット向け7機、H-IIAロケット向け22機、H-IIBロケット向け4機分を納入した実績を持つ。

《レスポンス編集部》

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