国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)が提案した海運部門子会社、MISCに対する完全買収提案が不成立に終わった。
ペトロナスはMISC発行済み株式の62.67%を保有しており、残余株を1株5.3リンギで公開買い付け(TOB)に付した。
しかし2位株主の従業員積立基金(EPF)が、提示価格が低すぎるとし提案を拒否。ペトロナスは提示価格を5.5リンギに引き上げ、EPFも受け入れを決めた。
TOBに同意した株主の持ち株合計は23.4%で、ペトロナスの持ち株比率は86.07%になったが、TOB成立に必要な90%に3.93%足りなかった。
提案に関する独立アドバイザーのAmインベストメント・バンクは「価格は妥当でないが、海運業界が直面するリスク、課題を考慮すれば合理的な提案内容」としていた。提示価格は資産価値を3.3ー9.8%下回っていた。