自動車のアフターパーツ関連事業者が集まる中国国際用品展13が3月1日、北京のイベント展示会場で開幕した。
北京と言えば日本国内ではこのところ大気汚染に関する報道がテレビや新聞を中心に連日行なわれている。実際に北京へ降り立ったところ、日本で行なわれている報道の理解が難しい、という状況を改めて確認した。
自工会、環境省のデータによると、2000年を過ぎてからの数字ではあるが粒子状物質PM2.5の濃度は年々低下する傾向にある。北京をはじめとする中国の大気汚染が一定の水準を超えたとはいえ、これまで低下傾向にあった日本のPM2.5濃度を右肩上がりに変化させるほど急激に中国が汚染されているとは、素人考えでも想像がし難い。
さらに、中国国内で自動車アフター関連で事業を展開する中小企業の経営層に大気汚染について訪ねると「歴史的に見ればイギリスや日本も、経済成長をしているタイミングで環境へのダメージが高まってしまうタイミングがあったはず。経済成長が落ち着けば、環境との調和にシフトしていくことは、イギリスや日本が証明しているのではないか」と落ち着いた意見を得た。
ただ「風の向きや強さ、という点で、日本への影響はあるかもしれない」とみる意見もあった。
日本では中国に住む多くの人々にとってマスクが欠かせない状態であるかのように報道されているが、中国在住の日本人は「テレビではマスクの人をあえて強調しています」と実生活と日本メディアの報道の温度差に違和感があることを話した。
中国という広大な土地、その中の大都市である北京、上海、広州を中心に経済成長を遂げているとはいえ、あたかも地球規模で環境を破壊しているのが中国であるかのごとく報道されていることに冷静さが欠けていることは否めない。