フォルクスワーゲンは11月28日より開幕した米国ロサンゼルスモーターショー12で、新型車『ジェッタハイブリッド』を公開した。ハイブリッド車としては『トゥアレグハイブリッド』に次ぐ2台目。公称燃費は45mpg(19.1km/リットル)で、同社最高レベルとなる。
ジェッタハイブリッドは、『ジェッタ』をベースに1.4リットルターボエンジンと1.1kwhのリチウムイオン電池、モーターを組み合わせた米国専用ハイブリッド車。トータル出力は170psで、2.5リットルエンジン車に相当するパワーだという。
モーターのみで最大1.3マイル(約2.1km)の走行が可能。「eモード」ボタンを操作することで、任意にモーター走行に切り替えることができる。バッテリーへの充電はエンジンと、ブレーキによるエネルギー回生によっておこなう。
ジェッタハイブリッドならではの省燃費機能が「セーリング」。これは最大84mph(135km/h)までの高速巡航時にアクセルペダルから足を離すことで、エンジンを停止、さらにクラッチが切り離されることでトルクロスをなくし、燃料を消費することなく滑走できるというもの。高速移動が多い米国ならではの機能といえる。
外観では、専用のフロント&リアスポイラーとリアディフューザーが与えられた。これらにより空力性能が向上、ベース車のジェッタよりCd値を10%改善した。さらに専用アルミホイールには転がり抵抗を最適化したオールシーズンタイヤを装備する。「HYBRID」のロゴが入ったブラックのラジエーターグリルも特徴のひとつだ。
内装にもハイブリッド車ならではの装備が盛り込まれた。メーターパネル左側にはエコメーターを採用。回転計の代わりに、エネルギーの出力、回生状況をリアルタイムに知らせるアナログメーターを配した。また、ナビ画面はエネルギーフローモニター、燃費履歴確認画面に切り替えることもできる。
また年内の発売に先駆け、フォルクスワーゲンはジェッタハイブリッドによるエコドライブ世界選手権『Think Blue. World Championship 2012』を開催した。ロサンゼルスモーターショーのプレスカンファレンスでは、公称燃費を大きく上回る49.9mpg(21.2km/リットル)を記録し優勝したドイツチームのドライバー、フランク・ザウフト氏が紹介された。今回の展示車両はこれを記念したもので、競技車両を模したペイントが施された。