大日本印刷(DNP)は8月8日、太陽電池モジュールの変換効率向上に対応した部材3種の量産を開始すると発表した。
今回量産を開始するのは、高電圧下での電流の漏れ(PID:電位誘発劣化)への耐性と紫外線(UV)域の光の透過性を高めた封止材『CVFシリーズ』、絶縁性と長期信頼性を高めたバックシート『NRシリーズ』、裏面電極(バックコンタクト)型の太陽電池に対応した『バスラインシート』の3製品。
CVFシリーズはポリオレフィンを採用し、EVA(エチレンビニルアセテート)を使用した製品と比較して約10倍の水分遮断性を発揮。高温度・高湿度で1000Vの電圧をかけたPIDが起こりやすい条件下でも、出力低下がほとんど起こらない。
NRシリーズは、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)を用い、優れた絶縁性を実現したほか、難燃性も高く、高温度・高湿度下の長期信頼性評価で、従来の10倍以上の耐久性を発揮する。
バスラインシートは、電極の回路パターンをシート上に形成。太陽電池モジュールを製造するラミネート工程で、セルに貼り合わせるだけで電極が形成できるため生産工程の簡易化を実現する。
同社は、国内外の太陽電池モジュールメーカーに対し、今回量産を開始する製品の拡販を展開。2014年度には、200億円の売上を見込んでいる。