ホンダが一部改良して発売した『ステップワゴン』には、全車にアイドリングストップシステムを標準装備した。同システムでは、走行状況に応じて作動しない場合には、その理由を表示するクラス初の機能が採用された。
ステップワゴンの開発責任者を務める本田技術研究所の堀川克己氏は「なぜアイドリングストップを止めたのかということを表示することで、お客様が“どうしてだろう”と思うことを解消したいということで採用した」と明かす。
堀川氏によると「ブレーキの踏み方が弱い場合にはアイドリングストップしないし、暖気過程でもしない。またエアコンを使っていて室内が快適でない状態になるとアイドリングストップを止める」仕組みになっていることから、「メーター内のマルチインフォメーションディスプレイにアイドリングストップしない理由を表示することにした」という。
このうち、ブレーキ踏み込み不足の場合はマルチインフォメーションディスプレイ上に「ブレーキペダルを踏み込んで下さい」というメッセージが表示され、ブレーキを踏み増すと「アイドリングストップしました」というメッセージに切り替わる。
このほか、低水温やバッテリー放電などの際には「アイドリングストップできません」のメッセージとその理由が記号で表示される仕組みになっている。
ステップワゴンとして初採用となるアイドリングストップシステムについて、堀川氏は「エンジン始動・停止の際のノイズ、バイブレーションを伝えないため、新開発のスターターを採用し、また車体に防音材を適用することで現行モデルに対して10%以上の静粛性向上を図った」としている。