気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年3月30日付
●国民新党、分裂状態、亀井代表、首相に「連立解消」消費税法案きょう閣議決定(読売・1面)
●ホンダ南米への戦略拠点、メキシコ工場起工、ブラジル向け制限課題(読売・8面)
●車の大手6社前年実績超す、2月国内生産(朝日・11面)
●米誌「日本の富豪40人」柳井会長が3回連続首位(毎日・8面)
●「国有東電」遠い改革、会長人事決まらず、遅れる事業計画(東京・1面)
●国際協力銀総裁に奥田氏、元トヨタ社長、経営者起用で競争力(日経・1面)
●大分工場「軽」に特化、ダイハツ、需要増に対応(日経・11面)
●広告特集、スポーツカー復権。(日経・20面)
●軽自動車1.5万台リコール、三菱自動車(日経・42面)
ひとくちコメント
久しぶりに大物財界人の名前が紙面に登場した。4月1日付で日本政策金融公庫から分離・独立する国際協力銀行(JBIC)の新総裁に元経団連会長でトヨタ自動車相談役の奥田碩氏を起用する人事を固めたという。きょうの日経が1面で“特報”している。
それによると、「国際的に幅広い人脈を持つ元大物経営者をトップに起用することで、インフラ輸出支援や円高対策に力を入れ、日本企業の国際競争力の向上につなげる」(日経)としており、30日の財務省の設立委員会などを経て、JBICの創立総会で正式に決まる見通しのようだ。
奥田氏といえば、トヨタ自動車の社長、会長を務めたほか、財界活動として2002年には経団連会長に就任。小泉純一郎内閣では経済財政諮問会議の民間議員を務めるなど、政府の要職も歴任した。ただ、第一線を退いてからは、日本中央競馬会の経営委員長や日本ゴルフツアー機構の理事などの名誉職には就任したものの、日本航空の再建の切り札として一時は取り沙汰された会長職なども固辞、悠々自適の“隠居”生活を送ってきた。
奥田氏はすでに79歳という後期高齢者。衰退気味の“日本株式会社”復権のためにも、ベテランが表舞台に顔を出して、もうひと働きしてもらいたいのが狙いのようだが、それにしても、政界も財界も人材不足は否めない。