トヨタ自動車の新型FRスポーツカー『86』の外形デザイン統括を務めるトヨタデザイン部の古川高保グループ長は、将来的にオープンモデルが設定できるよう「意識してデザインしている」と明かす。
古川氏は「アメリカ(のユーザー)は絶対に勝手に(オープン仕様を)造るかもしれない。お客様が育ててくれる車というのはそういうことだと思う」とした上で、「そういうお客様からの声が上がってきても、造りやすいように実はデザインをしている」と言う。
そのひとつがサッシュレスドアの採用。「リアルスポーツだったらサッシュドアにした方が軽くできる。でも絶対オープンカーをという声が来るから、サッシュはありえない。そういう先読みをして、必要最低限のものだろうと思って(サッシュレスを)選んだ」と古川氏は振り返る。
また『2000GT』をモチーフにしているキャビンデザインにも秘密が隠されている。フロントピラー内側線からルーフおよびリアウィンドへのラインはつながっておらず、フロントウィンドシールドとリアウィンドはカプセルのように閉じた形状になっている。これはタルガトップやフルオープン仕様に造りやすいようにしているためというわけだ。