岡山発東京行きの新幹線ひかりのドアが開かず、乗客が降り遅れた件で、車両を所有するJR西日本が原因の特定を急いでいる。ただ、10日余りたった今でも原因がわかっていない。
この不具合は、19日午後1時55分頃、静岡県三島市の東海道新幹線三島駅で起きた。
ひかり470号(300系16両編成)の到着時に東京方向の3号車のドア、大阪方向の4号車と6号車のドアの3か所が開かなかった。そのため約10人の乗客が降り遅れ、新横浜駅で引き返したが、3か所のドアが同時に開かないという例は極めてまれだ。
470号は品川区の東京修繕車両所に運ばれ調査を実施したが、JR東海との合同調査では不具合は発見できず23日、博多総合車両所(福岡県那珂川町)に回送された。JR西日本ではさらに詳しい調査を継続中だ。
しかし、JR西日本新幹線管理本部によると「ドア装置の点検箇所に異常は認められず、さらに分解してテストしたが、そこでも原因は特定できなかった」と、いう。
実は、6号車では三島駅の駅員がドアが開いていないことを発見して、停車中に6号車のドアの乗客を誘導して下車させている。だが、その他のドアの不具合には気がつかないまま発車した。
新幹線ドアは安全を最優先させて、開いたまま走行するという事態が起きないような設計がされている。そのため人が降りられない状態でも、ドアセンサーが開いている状態を示し、車側灯や運転席などのモニターがドアが開いている状態にあっても、実際には人が降りられないことがある。
「現在は調整の度合いによって、不具合が再現できるか試験走行をして、原因の追及を試みている」(前同)
それでも原因が特定できるかどうかはわからない。