神戸製鋼所は、ベトナム政府から同国ゲアン省で年産240万t規模のITmk3プラントを二段階で建設するプロジェクトの事業投資ライセンスを取得した。
プロジェクトの総事業費は1000億円になる。プロジェクト実施母体となる現地法人「コベルコ・アイアン・ナゲット・ベトナム」を設立し、2011年1月にアイアンナゲットを製造するプラント建設開始を目指して事業化調査を実施する予定。
ベトナムは経済発展とともに、将来的な鋼材需要の伸びが見込まれている一方で、現在は鉄源の大部分をスクラップや半製品の輸入に依存している。
プロジェクトでは、ベトナム国内の鉄鉱石、石炭を主原料として高品位の鉄源を製造する。特に鉄鉱石は、比較的鉄分品位が高いものの、これまで大型高炉では利用が困難だった同国タッケー鉱山の高亜鉛含有鉄鉱石を利用できることから、ベトナムにとって自国地下資源の有効活用につながるほか、安価な原料調達が見込め、プロジェクト採算性の向上にも寄与すると見込んでいる。