1月のデトロイトモーターショーでは目立った新型車もなく、地元の開催にも関わらずプレスカンファレンスすら行わなかったクライスラー。今回のジュネーブモーターショーでは、昨年提携したフィアットとの「良い関係」をアピールするブースが展開された。
「クライスラー」ブランドはフィアットの「ランチア」との共同ブースを展開。異なるブランド同士が同じブースで出展するのはモーターショーでは珍しい。パズルのピースをモチーフとしたフロアには、クライスラーとランチアのロゴが描かれた2つのピースがぴったりとはまっているオブジェが飾られた。
展示車両もランチア『デルタ』や『イプシロン』のすぐ隣にクライスラー『300C』や『PTクルーザー』が配置されるなど、両社の提携関係を強くアピール。また、クライスラー・ランチアブースの周囲にはフィアット、アルファロメオ、ジープ、ダッジと、両社ブランドのブースが軒を連ねた。
クライスラーとフィアットは新型エンジンの共同開発や、フィアット車の米国参入などポジティブな動きも活発化している一方で、フィアット・グループのマルキオンネCEOが乗用車部門を分離する可能性を示唆するなど、未だ大きく揺れている。
両社が描く未来予想図のパズルは、完成の日を見ることができるだろうか。4月21日に開催されるフィアットグループの経営方針発表会で、今後の展開が明らかにされる見込みだ。