エールフランスの新レカロ製シート…40%軽量化

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レカロ社と共同開発
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  • 従来型シートが設置されたA320のキャビン
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エールフランスは19日、近距離路線用の新型シートを発表した。欧州諸都市に就航しているエアバス「A319」、「A320」、および「A321」型機に、30日から順次導入する。新型シートは、エールフランスとレカロ社の共同開発によるもの。

すでに昨2009年のハンブルク航空インテリアショーで「革新賞」を受賞している。流線型を導入すると同時に快適性も高め、レッグルームを5 - 7cm増加させることにも成功した。バックレストは15度のリクライニングが可能。素材に関しては、開発当初から環境対応マテリアルの使用を前提とした。

ただし、最大の特徴はその重量だ。従来型近距離用シートと比較して40%も軽い9.1kgを実現している。これは世界の旅客機用シートの中で最軽量。これにより、同社の新型シート使用機全体で年間5200tの二酸化炭素(CO2)削減が可能になるという。なお、公式発表では触れられていないが、今日もはやアームレストに灰皿が不要になったことも軽量設計に貢献したと思われる。

エールフランス-KLM航空のパトリック・ルー・マーケティング部長は、「このシート導入は、長距離路線への新クラス『プレミアム・ヴォワジャー』導入に続くもの。近距離路線の顧客に、より快適で環境に優しいシートを提供するための投資である」とコメントした。

ヨーロッパの航空各社にとっては、燃料価格高騰と採算性悪化のなかで、より燃費効率の良い機材への買い替えが急務だ。しかし、この軽量シートがCO2削減にとどまらず、燃費改善に関しても対投資効果が証明されれば、他社に波及することは間違いないだろう。

ついでに言えば、日頃から欧州圏内路線を利用し、機内食が年々簡素になっているのを感じていた筆者としては、今回の新型シートは、もはや限界ともいえるサンドイッチをこれ以上薄くするより極めて前向きであると賞賛したい。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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