三建産業と東京電力は11日、アルミニウム鋳造品の原料となるアルミの溶解、溶解後のアルミ溶湯の保持過程でのエネルギー効率の向上とCO2排出量を削減する「グリーン工業炉 電気式アルミ溶解保持炉S-MIC」を共同開発したと発表した。
設備は2010年度上期から三建産業が販売する。
自動車部品や建材などに利用されるアルミの溶解、アルミ溶湯の保持は、通常燃焼バーナによる輻射加熱を利用する。このため、排ガスの発生と熱エネルギーの損失が環境問題の課題だった。
今回共同開発した設備では、炉に入れたアルミを電気式の浸漬ヒータにより直接加熱することで、高い溶湯品質を維持しながら熱エネルギーの損失を抑えることで、エネルギー消費量とCO2排出量とともに、エネルギーコストの大幅な削減を図る。
また、アルミ溶湯の循環プロセスを工夫することで、アルミの連続溶解と保持を同時に行うなどの機能性の向上も図る。
CO2排出量はこれまでよりも5割削減できるほか、エネルギーコストも約2割削減できるとしている。