2009-2010のCOTYは3代目『プリウス』が取ったが、納得できる結果だ。でも実は、ボクが10点を入れたのはVW『ゴルフ』だ。
もちろん2台のハイブリッドカーにも点数は入れたが、特定のクルマだけに燃費を特化すると販売が偏ってしまうという、好ましくないマーケット状況を作り出したのもハイブリッドだったので点数が低くなった。
ゴルフは燃料直噴システムを備えた小排気量エンジンにターボチャージャーを装着することで、燃費の向上と排気ガス低減を達成しつつ、パワー・トルクの増大という相反する項目を両立させることに成功した。こうした考え方はこれから他車にも広がっていくだろうし、技術のベンチマークになっている。
またゴルフらしいしっかりしていてフィットするシートに座り、しっかりしているボディとしなやかに動くサスペンションによって、良いハンドリング性能を得ているのも魅力だ。
各部の品質感の高い仕上がりは、乗っていても満足できる要素だ。長年乗っても飽きの来ないクルマだから選んだ。
こもだきよし|モータージャーナリスト/日本自動車ジャーナリスト協会副会長
学生時代から始めたレースをきっかけに、タイヤのテストドライバーになり、その後フリーランスのモータージャーナリストに転身。クルマが好きというより運転が好きなので、その視点でクルマの評価をしている。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、JAF交通安全委員会委員、警察庁(交通企画課/運転免許課)各種懇談会委員、グッドパーキング選考委員、全国道路標識・標示業協会理事、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなどの肩書を持つ。