地デジ移行、イタリアとフランスの場合。問題は…

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日本ではイオンが19日に発売する低価格の地デジチューナーが話題を呼んでいるが、イタリアやフランスでもテレビ地上波デジタル放送への移行が進められている。

デジタル放送は、イタリアでディジターレ・テレストレ(digitale terrestre、地上波デジタル)、フランスでTNT(T_l_vision Num_rique Terrestre 地上波多チャンネル)と呼ばれている。イタリアでは2012年、フランスでは2011年中のデジタル完全移行を目標に計画が進行している。

9月現在量販店に流通しているチューナーの実勢価格は、基本的なタイプがフランスで24.9ユーロ(約3300円)、イタリアで34.9ユーロ(約4700円)からだ。スポーツ中継や新作映画などプレミアム番組が視聴できるデコーダー付きチューナーだと、79.9ユーロ(約1万円)からである。

両国で販売されているチューナーのブランドは、多くがアジアを製造地とする新興ブランドで、以前から知られているメーカーは「サジェム」「テレシステム」社製くらいである。いずれも昨年頃から、大型量販店で店頭に山積み販売されるようになった。

プレミアム番組を観るには、専用カードをデコーダー付きチューナーのスロットに差し込む必要がある。イタリアでは現在数社がカードを発行しており、いずれもタバコ店で20 - 100ユーロをチャージすると、一定時間番組が視聴できる仕組みだ。特定のスポーツ中継を詳細に観られるプランも設定されていて、たとえば10月2 - 4日のモトGPポルトガル戦は8ユーロ(約1000円)である。

イタリアの場合、国内を15エリアに分けて移行計画が進行している。政府は対象地域ごとに、店頭で地上波デジタル受信機器を購入するときに買い替え奨励金が期間限定で適用されるようにしている。奨励金は最大50ユーロ(約6750円)。地域によっては75歳以上の高齢者に適用を限定しているところもある。

イタリアでは08年10月、まずサルデーニャ島でデジタルに完全移行。続いて09年は北部ヴァル・ダオスタや、トリノを州都とするピエモンテ州がデジタルに移行した。業界団体によると、ピエモンテ州では09年7月の段階で、すでに全世帯の3分の2がデジタル受信機器を備えているという。

ただし、問題はこの先だ。デジタル化の最終年度である12年には、シチリア島と長靴型半島最南端のカラブリア州での移行が計画されている。南部一帯は、北部よりも所得水準が低い。こうした地域で対応機器への移行が円滑に進むかどうかが、計画成功の可否を握っているといえる。

なお、推進テーマソング「地デジで元気!音頭」が発表された日本とは対照的に、イタリアやフランスで「地デジ・カンツォーネ」「地デジ・シャンソン」といったものが発表される兆候は今のところない。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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