進化を続けるクラリオン MiND、日本導入は?

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年初に北米、そしてこの夏には欧州市場に投入されたクラリオンのモバイルインターネットデバイス『MiND(マインド)』。昨年秋の金融危機による消費の冷え込みで、タイミング的には厳しい中での船出となったが、アプリや新機能の追加など、MiNDは着実な進化を続けている。新機能のポイント、日本導入に向けた動きについて、モバイル商品企画グループの岡田元己氏と上田倫子氏に聞いた。

◆この夏に欧州市場投入

----:今年初めに先行投入した北米市場ではMiNDの反応はいかがですか。

岡田:発売の時期が金融危機にともなう消費の大きな冷え込みとぶつかってしまいましたね。とくにPNDは各社厳しく、低価格化に拍車がかかりました。MiNDはインターネットデバイスとして高付加価値をアピールしてPNDとの差別化を図った商品でしたが、やはり当初の649ドルという価格では厳しく、PNDに引っ張られるカタチで値が下がっています。いまではかなり魅力的な価格に落ち着いています。

----:北米の日産ディーラーでの取り扱いも始まったそうですが。

岡田:ロサンゼルス近郊の日産ディーラーで『キューブ』のオプションとして導入されました。ただ、北米ではディーラーオプションの販売は一般的ではなく、MiNDの導入はテストマーケティング的な意味合いが大きいですね。

----:欧州ではこの夏に発売しました。仕様は北米版と異なるのですか。

岡田:テレビ受信機能を欧州のDVB-Tに対応させています。それ以外の基本仕様は北米版とほぼ同じです。

----:欧州での販売価格は。

岡田:標準価格は499ユーロです。MiNDは通信技術やソフトウエア開発リソースの活用という狙いもありますので、大量販売を見込むと言うよりは、先ほども申し上げたようにマーケティング的な要素を多分に含んでいます。価格については今後もうすこしこなれてくると思います。

◆MusicとTrafficの新アプリ

----:新機能の概要について教えてください。

上田:MiNDのネットワーク機能を活かした「Traffic」「Music」というアプリを4月から5月にかけてリリースしました。Trafficは、MiNDユーザー用ポータルサイト「MyClarion」の「MyTraffic」で予め設定したルート上の混雑具合を、0から10の数値で表示するというものです。渋滞情報はNAVTEQ社が提供する簡易渋滞情報をベースとしています。

----:ではMusicアプリの機能は。

上田:Musicは、音楽ファイル保存サービスの「MP3Tunes」で自分のPCに入っている音源ファイルをネット上の「ロッカー」に保存しておき、MiNDへダウンロードして聞けるサービスです。PCや携帯電話での利用も可能ですが、ダウンロードには専用アプリが必要となりますので、今回MiND用にMusicアプリケーションを開発しました。MP3、AAC、WMAを初めとして主要なファイル形式に対応しています。このほか、ラジオやCDでかかる音楽をMiNDのマイクで拾わせて楽曲を表示させるGracenote MusicIDも現在開発中です。

----:MiNDは汎用OSを搭載してブラウザを持ち、Google検索やネット上の音楽・動画再生、天気情報の取得、メールの送受信といった機能がありますが、カーナビ機能も含めて、iPhoneに代表されるスマートフォンでも同様のことが可能です。これらとの差別化はどのように考えていますか。

岡田:多機能化するスマートフォンとどう対抗するかというのは悩みどころです。通信機能を持たせたナビゲーションデバイスというポジショニングはMiNDの大きな特徴ではありますが、それだけでは消費者には受けませんから。車載器メーカーでしかできないところは何かというのを考えています。ひとつは自車位置精度やルートの質でしょうね。また車両情報を取り込むことで可能になるサービス、たとえばエコドライブ機能みたいなものもあるでしょう。

◆通信連携のサービスを活かしてどう付加価値を付けていくべき

----:アメリカのインターネット企業と組んでビジネスするメリットはどのような点にありますか。

岡田:MiNDのビジネスからつながるものとしては、ポータル(「MyClarion」)を立ち上げたことの意味は大きいですね。ポータルとポータルをネットワークしてビジネスにつなげていくノウハウは構築できつつあります。MiNDを始めたことで、さまざまなコンテンツプロバイダーやサービス事業者と話をする機会は非常に増えました。スタンドアローンのPNDではもはや150ドルしか取れませんから、通信連携のサービスを活かしてどう付加価値を付けていくべきか、頭をひねる余地は大いにあります。

----:日本へのMiND導入も検討されていると思いますが。

岡田:日本への導入時期は未定です。ただ、導入するにしても欧米の仕様をそのまま日本に持ってくるというのはしません。この手のデバイスだとワンセグは必須でしょうし、サービスやUIの面でも日本での利用シーンに合ったものにしていく必要はあります。

----:日本でMiNDが受け入れられる余地はありそうでしょうか。

岡田:日本市場の明るい材料としては、PNDの低価格化が進んでいるものの北米市場ほどに激安路線は来ていないということです。スマートフォンについても日本は欧米に比べ伸びがいまひとつで、通信機能付のナビデバイスというMiNDの付加価値をアピールできるという面もあります。

----:日本ではモバイルブロードバンドが本格化しつつあります。

岡田:まだテストレベルですが、USBの3G通信モジュールの利用も実現していますし、インテルさんやUQコミュニケーションズさんと協力してMiNDでのWiMAX利用も視野に入れています。さまざまな新機能も同時並行で開発していますので、もう少々お待ちください。

《聞き手 三浦和也/北島友和》

《まとめ・構成 北島友和》

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