ホンダ車のチューニングを手がける無限(M-TEC)の英国子会社、MUGEN EUROは、欧州仕様の『シビックタイプR』のコンプリートカーを開発していることを正式発表した。
すでに無限は、欧州でシビックタイプR用のパーツを販売すると発表済み。その後、少数限定でコンプリートカーを投入すると噂されていた。今回、MUGEN EUROから、正式アナウンスがあった。
MUGEN EUROによると、コンプリートカーは2007年6月に公開された『4ドアタイプR』のチューニングカー、『シビックMUGEN RR』(ダブルアール)のユニットを搭載するという。シビックMUGEN RRは477万7500円という価格にもかかわらず、限定300台が10分で完売したことで知られる。
2.0リットル直4「i‐VTEC」エンジンは、2本のカムシャフトとバルブスプリングを無限製に交換。さらに専用デュアルエグゾーストなど、吸排気系の効率も高められた。その結果、最大出力は240ps/8000rpm、最大トルクは22.2kgm/7000rpmと、15ps、0.3kgmの性能アップに成功した。
欧州仕様タイプRのコンプリートカーでは、エンジン以外に、サスペンションやブレーキを強化。大型リアウイングなど、アグレッシブさを強調したエアロダイナミックパッケージも装着される。開発は日本で行い、今年後半にテストカーを英国へ導入。MUGEN EUROが最終的なチューニングを煮詰めるという。
MUGEN EUROは、「シビックタイプRのポテンシャルを最大限に高め、英国で最速のFFロードカーを完成させたい」と意気込む。現時点では市販は未定としているが、デビューへの期待が高まるコンプリートカーといえそうだ。