川崎汽船は、中小天然ガス田からの洋上LNG生産プロジェクトを推進する「FLEX LNG社」の戦略的パートナーとして、同社の株式の15%を取得することで合意した。
取得金額は約180億円程度で最終調整中。資本参加はFLEX社の第三者割当増資を引き受ける予定。
これまで天然ガスの液化はすべて陸上で行われているが、資材高騰や海底ガス田から陸上までのパイプライン敷設、プラント建設の遅延などに伴って多くの新規LNGプロジェクトの立ち上がりが軒並み遅れている。
FLEX社の推進する洋上LNG生産プロジェクトは陸上までのパイプラインや港湾設備に対する投資が不要で、中小型ガス田でも早期立ち上げが可能。FLEX社は他社に先駆け既にSPBカーゴ・システムを装備する洋上LNG生産船4隻を三星重工に発注済。
FLEX社は6月上旬に、ナイジェリアOML122鉱区での洋上LNG生産プロジェクトの詳細事業化検討実施に関わる基本合意書を三菱商事、Peak Petroleum Industries Nigeriaと締結した。また、英国のRift OilともパプアニューギニアでのLNG開発検討に関して基本合意しており、2011年以降のLNG生産開始を目指している。
洋上LNG生産に適する中小型ガス田は世界に2000以上存在すると言われており、FLEX社のLNG生産船はこれまで商業化の対象とならなかったエネルギー資源を開発可能にするという意味から画期的な技術。
川崎汽船は資本提携することで戦略的パートナーとして、洋上LNG生産設備からのLNG輸送、その他のオフショア関連サービスを優先的に提供するほか、アジア・太平洋地域での共同マーケティング活動を行う。