三菱重工とフィンランドのバルチラ社、舶用小型ディーゼルを共同開発へ

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三菱重工業は、フィンランドのバルチラ社と、シリンダ口径が450mm以下の新しい舶用小型低速ディーゼルエンジンを共同で設計・開発することで合意した。

両社が2005年9月に結んだ舶用低速ディーゼルエンジンに関する戦略的な業務提携に基づくもので、新エンジンは、コンパクトで高い効率と環境性能を備え、2011年初めに初号機の納入を目指す。

新エンジンはばら積み船や各種タンカー、コンテナ船、冷凍船など、世界中の短距離航路や沿岸航路で運航する船種に適合する。エンジンの細目は、今後、初期設計が完成した後、数か月以内に公表する予定だ。

バルチラ社は出力5650 - 8万4420kWをカバーする舶用の低速ディーゼルエンジンを製品群として持つ。バルチラ社の「RT-flex」型エンジンは最新の電子制御技術を搭載した新しい燃料噴射システム、コモンレール方式の採用が特徴。燃料噴射量と噴射時期が正確にコントロールされるため、排ガス中の有害物質を低減、環境性や経済性が向上する。

一方、三菱重工は出力1120 - 4万6800kWをカバーするUE型舶用低速ディーゼルエンジンを持つほか、1925年以来の協定でスルザー社とバルチラ社の舶用低速ディーゼルエンジンの生産でも、長く協力関係にある。新エンジンは両社の低出力エンジンのラインナップを充実する。

シリンダ口径450mm以下のエンジンは、バルチラ社にとって既存の品揃えにはない小型機種で、三菱重工は新エンジンと同じ小型機種を持つが、製造コストとユーザー利益の両面で一層の競争力を持ち、従来型の代替機種となると期待している。

今回のプロジェクトは、両社の経営幹部も加わった委員会が監督する共同ワーキンググループが主導する。新エンジンは、三菱重工とバルチラ社の各国のライセンス供与先企業が生産する予定だ。

《レスポンス編集部》

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