仙台アーケード暴走事件、無期懲役に 一審判決を破棄

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2005年4月、宮城県仙台市青葉区内のアーケード街にトラックで進入。7人を死傷させる暴走事故を起こしたとして殺人や殺人未遂の罪に問われた41歳の男に対する控訴審判決公判が7日、仙台高裁で開かれた。裁判所は一審の懲役28年判決を破棄。被告に確定的な殺意があったことを認め、無期懲役を言い渡している。

問題の事件は2005年4月2日午前に発生している。仙台市青葉区中央付近にあるアーケード街に普通トラックが進入。40−50km/hの速度を保ったまま約550mに渡って暴走し、アーケード入口付近で道路を横断していた人を含めた歩行者7人を次々にはねた。このうち3人が死亡、4人が重軽傷を負った。

当初、トラックを運転していた男は業務上過失致死傷などの容疑で逮捕。後に殺人と殺人未遂で起訴されたが、男は捜査段階で「お告げがあった」と供述。刑事責任能力の有無を確かめるための精神鑑定も行われた。結果的には統合失調症と診断されたものの、一審の仙台地裁は最終的に「刑事責任能力あり」と判断。未必的な殺意があったことも認め、懲役28年の実刑判決を言い渡した。

これに対して検察側は「被告には未必ではなく、確定的な殺意があった」と主張。量刑不当も理由として控訴していた。

7日に開かれた控訴審判決公判で、仙台高裁の木村烈裁判長は「被告はアーケード進入後、回避行動やブレーキを踏むなどの措置は行っておらず、歩行者を背後からはねた。確定的な殺意が生じていたのは明らか」として、一審の仙台地裁判決を破棄。検察の求刑通り、無期懲役とする判決を命じた。

《石田真一》

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