新型ホンダ『フィット』のエクステリアデザインを作り上げたのはデザイン開発室エクステリアデザインプロジェクトリーダーの奥本敏之さん。
フィットはすでに全世界で200万台を超えたホンダの基幹車種のひとつなので、奥本さんも相当のプレッシャーを感じつつ、デザインをスタートさせた。
奥本さんの前作は2006年1月にヨーロッパで発売された『シビック5』ドア。これが高く評価されたことから、その自信を基に、はじめは“攻めのデザイン”を、と意気込んだ。しかし、フィットにはまず第一に機能を大切にしなければならない、と気付いた。機能、すなわちセンタータンクレイアウトを生かした広い居住空間である。ただし、広いインテリアというだけでは、ミニバンのイメージに重なってしまう。
そこで生み出されたのが、スーパーフォワーディングフォルム。後ろ足で踏ん張り、前へ前へと突き進んでいくような前傾姿勢をイメージすることで、フィットの走りのよさも表現している。