グッドデザインプレゼンテーション2007(東京ビックサイトにて8月24−26日開催)、毎年恒例の公開審査で、三菱ふそうトラック・バスのデザイン部、山田修司さん、原口延寿さんが新型『エアロクイーン』『エアロエース』のデザインについてプレゼンテーションを行った。
バスには、3つのユーザーがいるといい、まず第1のユーザーとして、バスのオーナーに対しては、「経済性」から、燃費の向上のため空力特性を考慮したデザインとし、またボディ側面はバス会社のアイデンティティ表現のためのキャンバスとなる必要があるという。
第2のユーザーのドライバーに対しては、「機能的な職場」としての使いやすさが求められる、完全独立型のコックピットで、スイッチ類を機能的に配置したという。
第3のユーザーのバスで旅をする利用者に対しては、「非日常である演出」をしながらさまざまな人が利用するため「ユニバーサルデザイン」であることが要求される。
バスのデザインでは、斬新なカタチで自己主張を表現するといったデザインでなく、各方面の意見を取り入れてそれをまとめるといったデザインが求められる。しかし、デザイン的に縛りの少ない、リア周りにデザイナーとしての思いが表れたのか。
木村徹審査員からは「全体のデザインから、リア周りのデザインだけ浮いていませんか?」との質問がされた。
山田さんからは「リアはフロントとは違い、走行中、後ろにつかれた場合、長時間見られることになるので力を入れてデザインしました」との回答がされた。
奥山清行審査員からは「やはり日本では、室内の照明は、間接光でなく直接光でなければならないですか?」との質問が。
山田さんによると、先代のモデルでは、間接照明を取り入れ雰囲気作りをしていたが、「室内が暗い」「本が読めない」との市場の要望から、直接光と間接光を組みあせた照明を採用したという、やはり市場の声は偉大なのである。