富山県警は4日、秋の全国交通安全運動(9月21−30日)の期間中に飲酒運転や運転中の携帯電話機使用で摘発された南砺署・地域課に所属する52歳の男性巡査長について、停職6カ月の懲戒処分を実施した。この巡査長は同日中に依願退職している。
富山県警・警務部によると、この巡査長は9月25日朝の交番勤務終了後、自己所有のクルマで高岡市内のスーパーマーケットに出向いて酒やつまみを購入。そのまま駐車場で飲酒。さらには砺波市内のコンビニエンスストアで酒を買い増し、酒に酔った状態でクルマを運転していたところを発見された。
摘発当時はクルマの運転をしながら携帯電話も使用。飲んだ量は日本酒4合程度だったが、このうち1合は運転中に飲んだ可能性が極めて高いと判断された。巡査長の飲酒運転は常習的なものと推測され、過去にも摘発を受けて減給の懲戒処分を受けていた。
この事実は地元マスコミが報じたが、県警では摘発の事実を含めてノーコメントを貫いていた。しかし、秋の全国交通安全運動中の摘発だったことや、飲酒運転が問題化する中での不祥事だったこともあり、県民が猛反発。富山県知事が県警本部長に対して厳正な処分を要求するという異例の事態になっていた。
県警では4日に懲戒委員会を開き、この巡査長の懲戒処分を検討。酒気帯び運転の処分としては最も厳しい停職6カ月の処分を命じるとともに、道路交通法違反容疑で書類送検した。しかし、巡査長は同日に依願退職を申し出ており、これが受理された。懲戒免職ではないため、正規の退職金(約1800万円)も支払われる見込みだ。
県警では今回の処分について「事実関係の調査に手間取ったことが原因」としている。