クルマを使った保険金詐欺は模倣性が高い…実刑を命じる

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格安で購入したクルマに高額な補償の得られる保険を掛け、故意に追突事故を起こして保険金約1億3700万円を騙し取ったとして、詐欺罪に問われた2人の男に対する判決公判が2月28日、宇都宮地裁で開かれた。

裁判所はいずれの被告にも実刑判決を命じている。

詐欺罪に問われているのは栃木県市貝町に在住する29歳の男(主犯)と、25歳の男(従犯)の2人。

この2人は2002年秋ごろから、走行距離が伸びていたり、年式が古い高級車を格安で購入。このクルマに対して補償額の大きな保険を掛けた上で、他のクルマを衝突させる事故を故意に繰り返し、保険金を騙し取っていたとされている。

衝突事故を偽装する際には、自分たちの遊び仲間などを多数参加させ、運転者や同乗者などと役割を変えつつ犯行に及んでいた。

騙し取った金額は2人合わせて約1億3700万円となり、参加したメンバーに“分け前”として分配したものの、主犯の男は約2600万円、従犯の男も約300万円の純利を手にしていた。

2月28日に開かれた判決公判で、宇都宮地裁の野口佳子裁判官は「あらかじめ安価なクルマを購入し、高額の補償内容の保険契約を結ぶなど犯行態様は悪質だ」と指摘した。

その上で「両被告とも生活に困窮していたわけでもなく、遊興費欲しさに犯行を計画している。多額な現金を手にしたが主犯の男はまったく弁済に応じておらず、従犯は一部しか弁済を終えていない」として、2被告が反省していないことを強調。

さらに「保険金詐欺は一件でも高額な金額が詐取されやすい。模倣性も高い。社会的な影響も大きく、2被告の犯行は悪質だ」と認定し、主犯の男に対しては懲役12年、従犯の男に対しては懲役5年6カ月の実刑判決を命じている。

《石田真一》

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