先代メルセデスベンツ『SLK』では、どちらかといえばソリッドな面とシャープなラインで構成された、すっきりしたたたずまいを持っていた。しかし新型(6日日本発表・発売)では、エモーショナルで肉感的な面構成になっている。
新型SLKは、メーカーの言葉を借りれば「イタリアのエスプレッソのように、新鮮でいきいきとした」ロードスターだ。なるほど、弧を描くサイドのキャラクターラインやそれにともなって肉感的な張りを持った面、艶かしく張り出したホイールアーチなどに、ラテンの官能を感じることはできる。
しかし、ラテン・スポーティカーと異なるのは、軽快感がないことだ。例えばアルファロメオで言うならば『GTA』のような、ドーピングされた結果のスポーツ性能を感じさせるマッチョなデザインをSLKは持っている。これはメインマーケットであるアメリカを意識したものであろうか。
全長4090mmというサイズではスレンダーな女性のごとくたおやかで優美な曲線は描けず、それをデフォルメしたようなトランジスタ・グラマーになってしまうのは致し方ないところだろうか。