環境省は29日、オゾン層などの監視結果に関する2003年度版の年次報告書をまとめ発表した。全地球的なオゾン量は1980年以前にくらべ少ない状態が続いており、日本上空でも札幌、つくば、鹿児島で長期的な減少傾向が見られる、としている。
全地球的なオゾン量は、特に高緯度域の春季に著しく減少している、と指摘。03年の南極上空のオゾンホールは例年より発達時期が早く、オゾン欠損量(破壊量)は過去最大となり、面積は過去2番目の大きさとなった。
報告書は南極のオゾンホールの状況について「やや鈍化したものの長期的には依然として拡大傾向が続いており深刻な状況にある」とした。
CFCなどオゾン層破壊物質の大気中の濃度は、1970年代に比べかなり高く、オゾン層の状況が改善されるにはこれら物質の濃度が大幅に低下する必要がある、と述べている。