昔を思い出して暴走…3年ぶりの大量検挙

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大阪府警は2日、大阪府堺市内など、大阪南部地域を拠点とした暴走族13グループ、現役メンバーやOBなど合計82人を道路交通法違反(共同危険行為)で検挙した。このうち成人の25人を逮捕している。

大阪府警・交通捜査課によると、今回摘発されたのは堺市や大阪狭山市などを拠点として活動する暴走族13グループの現役、OBなどメンバー82人。

今回逮捕されたOBのうち1人が「昔のグループのように大勢で走ろう」と、現役世代に提案。これまで対立してきた組織についても「俺の顔を立てろ」と強引に1グループにまとめ上げ、昨年4月の日曜深夜を中心に、堺市から大阪市に向けて暴走行為を行った疑いがもたれている。

このOBがモデルとしたのは、最近全国でその動きが広まっている「旧車会」と呼ばれる組織。これは暴走族のOBが現役の頃に使っていたバイクを集め、暴走行為を行うというもので、一部の県では「暴力団の新たな資金源となっているのではないか」とみて警戒を強めている。

摘発理由となった暴走の際にも、OBの25人は率先して参加。エンジンの爆音を楽曲のようにコントロールしながら走るなど、現役世代に向けて「暴走は楽しいものだ」と発信したかったらしい。

しかし、暴走の楽しさを後輩に伝えるよりも早く、警察に対して「暴走族壊滅に向けた警察の役割とは何か」ということを思い出させることになった。警察では暴走行為をビデオに記録し、昨年秋ごろから積極的に摘発を進め、3月末までに参加したほぼ全員を検挙するに至った。

大阪府警では「今回のような大量摘発は3年ぶり」とコメント。13グループについては解散させる方針だという。

《石田真一》

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