タイヤ脱落ダンプ、ボルト欠損のまま2カ月走行

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走行中のダンプトラックからタイヤが脱落し、直撃を受けた3歳児が死亡した事故について、北海道警は4日、事故を起こした運転手が整備業者からの勧めを無視する形で、破断したボルトの交換を行っていなかったことを断定した。

警察では、男がボルトを追加せず、そのまま使用していた疑いが濃いと見ている。

北海道警・江差署によると、問題のダンプトラックの整備は江差町内にある自動車整備工場が、事故を起こしたとして逮捕された62歳の男から依頼を受ける形で行っていた。

検査は昨年11月と12月の2回行っているが、2回目(12月)の検査を行った際、タイヤホイールとハブをつなぐボルトが1本脱落し、無くなっていることを発見した。

また、この際にはボルトが劣化したことによる微細な亀裂のようなものも発見されているが、この部分については「ただちに破断する恐れは無く、全体的に痛んでいますねと言うに留めた」としている。

むしろ、ボルトが1本脱落し、それによって異常負荷が掛かることを恐れたという。

だが、このとき工場にはボルトの在庫がなく、男に対しては「メーカーに発注を掛けているので、到着次第ボルトを装着したい」と伝え、車両もそれまで預かることを申し出た。

しかし、男は「このダンプトラックは借り物だし、一度持ち帰って所有者の許可を得てからにしたい」として持ち帰った。2日後に部品が到着した旨は整備員が電話で報告したが、男はそれ以後この工場に立ち寄ることも無かった。

脱落したタイヤは8本のボルトで支える構造になっているが、ハブに残されていたのは7本のみ。このうち2本には亀裂が生じていたのは既報のとおりだ。

1本は装着されていた跡形も無かったことから、この部分のボルトが12月頃から脱落していたことが今回の証言によって裏付けられたことになる。

《石田真一》

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