タイヤ脱落ダンプ、2回の整備を実施ずみだった

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北海道江差町内の国道で18日に発生したダンプトラックのタイヤ脱落事故の捜査を続けていた北海道警は25日、事故を起こした車両が昨年11月と12月の2回、事故を起こしたとして業務上過失致死傷容疑で逮捕された男の依頼を受けた業者の手により、整備点検が実施されていたことを明らかにした。

これによって男が事故当日だけではなく、事故の以前から頻繁に車両を貸与されていた可能性が高くなった。警察では近日中にこの業者から事情を聞く方針だ。

問題の事故は18日の午後4時35分ごろ、江差町水堀町付近の国道229号線で発生している。走行していたダンプトラックの左後輪が突然脱落。歩道を歩いていた3歳の男児を直撃し、男児は11時間後に死亡している。

事故を起こしていたダンプトラックはタイヤ(ホイール)を固定するボルト8本すべてが破断していたが、このうち2本については長期に渡って破断状態が見過ごされていた可能性が強まっている。

その後の調べで、車両の所有名義人となっている青森県弘前市内の業者は「使わなくなった車両を北海道上ノ国町の砕石業者に預けた」と供述。貸与中の整備については「使用しているのであればその業者がやっていると思う」と、整備状況にはタッチしていないことも認めている。

こうした事情もあり、事故を起こしたダンプトラックが適切に整備されていたのかどうかは不透明なままだったが、逮捕された男は取り調べの際に「整備は自分が依頼して業者に行わせていた」と供述していたことがわかった。

供述によると、昨年11月と12月の2回、道南の業者に整備を依頼。ただし、この際にはボルトの破断は確認されておらず、従って部品の交換も行われていなかった。

通常、破断が目視で確認できるような状態のときには部品交換が行われると考えるのが自然であることから、警察では近日中にこの業者を任意出頭させ、どのような整備を施したのかについて事情を聞く方針だ。

《石田真一》

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