不正軽油を保管していた業者が川に油を廃棄?

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熊本県は25日、福岡県内の工場跡地に設置されたプラントで大量の不正軽油が密造されていたという問題に関連し、このプラントで生成された不正軽油が熊本市小山町に保管されていた疑いのあることを明らかにした。

不正軽油を保管していたとみられる業者は県の立ち入り調査が行われる直前に、保管していた油を廃棄するなどしていた可能性も高く、県ではさらに調べを進める方針だ。

熊本県・税務課によると、今回見つかった倉庫は福岡県・税務課が今月19日に強制捜索を実施した福岡県古賀市内の工場跡地に設置されていたプラントで密造した不正軽油を貯蔵するための施設だったと考えられるという。

これまでの調べでは、古賀市内のプラントで生成・密造された不正軽油はタンクローリーに搭載され、熊本市小山町にある倉庫に運ばれていたことが確認された。

この倉庫は関東地方にある燃料販売会社が所有しており、不正軽油は正規の商品と同一の場所で保管され、双方の区別無く一緒に出荷されることで密造された事実を隠蔽していた疑いが強まった。

福岡県から連絡を受けた熊本県では、福岡県が密造プラントへの強制捜索を実施したのと同じ今月19日にこの倉庫に対する立ち入り捜査を実施しようとした。ところが倉庫は施錠されていて立ち入ることができず、捜索は出来ないままとなっていた。

熊本県では別の機会を狙っていたが、23日早朝にこの倉庫の近くを流れる川に大量の油が流出し、魚などが死ぬという事故が発生していたことがわかった。県では倉庫が建つ土地所有者の同意を得て、強制捜索を実施した。

内偵捜査の際には、この倉庫内に少なくとも1000キロリットル以上の油類が貯蔵されていると判断していたが、強制捜索を実施した際には倉庫内には何も残されておらず、床面には油分を洗い流したような痕跡も確認された。

このため県では、保管していた業者が立ち入り捜索の実施を察知し、残されていた不正軽油などを廃棄したものの、このうちの一部が川に流出した可能性が高いとして、倉庫を借りていた業者などからも事情を聞く方針だとしている。

《石田真一》

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