泥酔での検挙なのに勝手に下方修正---高校実習助手

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岩手県教育委員会は16日、酒気帯び状態でクルマを運転した際に大型バイクと衝突する事故を起こし、運転者に軽傷を負わせたとして、盛岡地区の県立高校に勤務する40歳の実習助手を懲戒免職処分とした。

県教委によると、この事故は昨年10月18日に発生している。同日の午後6時30分ごろ、滝沢村内の国道282号線で、丁字路を右折しようとした実習助手の運転するクルマが、右方から直進してきた24歳の男性が運転する大型バイクと出会い頭に衝突した。

衝突直後にバイクは転倒し、投げ出された男性は腕などに軽傷を負った。

事故の原因は実習助手の安全確認ミスとされたが、現場で実施されたアルコール検知では呼気1リットルあたり1.02グラムという極めて高濃度のアルコールを検出。本人には酔っているという意識が希薄だったものの、実際には泥酔状態であることが確認された。

しかし、実習助手は勤務先の高校に対しては「極めて低いアルコール濃度で、ギリギリで酒気帯び扱いになってしまった」と報告。摂取したアルコール量についても「薄い水割りをコップで3杯程度」としていた。

ところが県教委が盛岡区検に照会したところ、実際には1.0ミリグラム超のアルコールが検出され、警察の取り調べに対しても「ウイスキーをボトルで1/3ほど飲んだ」と供述していたことがわかった。

つまり職場と県教委に対しては虚偽の報告をしていたこととなり、改めて本人に確認を取ったところ、この事実を最終的には認めたという。

実習助手に対しては昨年12月に罰金40万円の刑事処分も決定しており、泥酔状態での人身事故と見なし、懲戒免職処分を決定した。

岩手県内の教職員が飲酒運転絡みで懲戒処分を受けるのは、2003年度だけでも今回が10人目。教師のモラルが低下している実態は、この数値からも読み取れる。これでは生徒に何を注意したとしても説得力がない。

《石田真一》

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