ケンウッドは、アメリカで開始したデジタル地上波放送HDラジオ(High Definition Radio)に対応したカーオーディオを業界で初めて北米市場向けに商品化したと発表したが、CESのケンウッドブースはそのチューナーを内蔵したモデルを参考出品していた。
このHDラジオは、アイビクイティ社が提案したIBOC(In Band On Channel)方式のデジタル地上波放送で、すでに2003年春からはニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコ、マイアミ、シアトルの6都市で放送が開始されて、現在は300局近いラジオ局が契約を行い、全米3分の2の放送エリアをカバーしている。
この放送のメリットとしては、既存のアナログ電波にデジタル信号を乗せるIBOC方式を採用したことで、新たなデジタル放送向けに周波数帯を確保することなく、既存のFM/AM放送の周波数帯を利用してデジタル放送を行うことがある。
音質はCD並みを確保し、デジタルならではのデータ放送を実現したり、既存のFM/AM放送と同様に無料で楽しめるのも大きなポイントだ。
こうした背景からケンウッドは、すでに放送が開始されているシリウス衛星ラジオ放送チューナーと同様に、このインダッシュタイプを市場拡大と販売拡大に欠かせない普及モデルと位置づけ、今後のアメリカ市場向けカーオーディオ製品のラインアップに、このインダッシュタイプのHDラジオチューナー内蔵レシーバーを順次加えていく計画でいる。