「片手でポン!」のキャッチフレーズどおりに、ワンアクションでセカンドシートを前方にスライド&チップアップすることのできる『シエンタ』。だが、この秀逸なシートアレンジを可能とするために、シエンタのセカンドシートから後のフロアには、左右スペースを分断する黒い大きなシートレールが前後方向に存在する。
このシートレールは幅も大きく、高さもあるのでサイドウォークスルーの時も邪魔になる上に、セカンドシート中央に座る際には、少し足を開いて座らなくてはならない。燃料タンクを薄型にして床下に収納するといった、パッケージングの追及を行いながらも、居住性がスポイルされてしまう。
このシートレールについて、シエンタのチーフエンジニアの永井正之氏は「中途半端な高さだと、かえって目につかず足を引っ掛けてしまいます。そのため、あえて目立つように、運転席と助手席の間にあるフロアトレイと同じ大きさにして連続感を持たせたデザインにしました」と説明する。
非常に優れたパッケージングを実現しながらも、あえて大きなシートレールを採用した理由に共感してくれるユーザーと、フラットフロアを求めるユーザーのどちらが多いだろうか。