トヨタ『シエンタ』に使われているプラットフォームは、『ヴィッツ』と同時にデビューし、『ファンカーゴ』や『bB』、そして『プロボックス』や『ラウム』まで幅広く使われている、トヨタのコンパクトカー用プラットフォームを流用している。
初代ヴィッツの登場時には剛性不足が指摘されたプラットフォームだが、マイナーチェンジの度に剛性アップを施し、もはや熟成の域に達している。そして、シエンタではBピラー以降の床面やバックドアの周囲にメンバーやフレームを追加するなどさらなる補強が施され、静粛性と走行安定性の向上を実現している。
また、エンジンは全車が4気筒1.5リットルの「1NZ-FE」型。エンジン型式はヴィッツや『カローラ』に採用されているタイプと同一だが、シエンタのFFモデルでは内部が大幅に改良された新世代型が搭載されている(4WDモデルは従来型と同じエンジン)。
シリンダーヘッドを新開発したほか、ピストンリングの張力低減、ピストンリングへのLFA(Low Friction resin with Alu-mina)コーティングなどでエンジンの内部抵抗(フリクション)を徹底的に低減し、出力向上と燃費低減を実現。当然のことながら、全モデルが★3つの「超-低排出ガス」の認定を受けている。
トランスミッションは、FFモデルが金属ベルトを使用したム段階変速の「Super CVT」で変速ショックの無い滑らかな走りを実現。4WDモデルは電子制御の4速オートマチックだ。4WDシステムは、ビスカスカップリングを使用し、前後輪に回転差が生じた場合に回転速度の差により前後にトルクを振り分ける「Vフレックスフルタイム4WD」を採用している。