13日午後、宮城県多賀城市内のパチンコ店駐車場に止められたクルマの中で、1歳3カ月の女児がぐったりしていると119番通報があった。女児は熱中症で一時意識不明の重体だったが、幸いにも数時間後に意識を取り戻している。警察では車内に女児を放置した両親から保護責任者遺棄の疑いもあるとして放置に至るまでの事情を聞いている。
宮城県警・塩釜署の調べによると、消防に通報が寄せられたのは13日の午後1時10分ごろだという。多賀城市八幡1丁目付近のパチンコ店駐車場にいた40歳の男性から「娘がぐったりとして反応がない」という内容の119番通報が寄せられた。
救急隊員が現場に急行したが、軽自動車に乗せられていたとされる1歳3カ月の女児は口から泡を吹き、意識不明の状態だった。女児は塩釜市内の病院に収容されて手当てを受けた結果、数時間後に意識を取り戻した。病院に収容された時点の体温は41度で、熱中症患者に特有の脱水症状も併発しており、非常に危険なだったという。
消防経由で通報を受けた警察官が両親から事情を聞いたところ、この両親は同日午前10時ごろ、買い物途中にパチンコ店に立ち寄り、「1時間だけ遊んでいこう」と女児を駐車場に止めたクルマのチャイルドシートに座らせたまま、パチンコを始めたという。1時間のつもりだったが、結局3時間近くを店内で過ごし、「クルマに戻ったときには女児がぐったりしていた」と供述している。
この日の仙台地方の天候は曇りで、気温もそれほど上昇しなかったが、それでも車内温度は摂氏50度を突破していたと考えられる。警察では保護責任者遺棄容疑で両親から事情を聞き、「場合によっては最悪の結果になったかもしれない」と説諭して帰宅させたというが、1時間のつもりが3時間になっていたというのは立派なパチンコ中毒だ。