三菱電機は、クルマの安全向上に期待されている76GHz帯ミリ波車載レーダー向けに、電子ビームスキャン方式対応のMMICフルチップセットを世界で初めて開発した。6月8日〜13日まで米国で開催される国際マイクロ波シンポジウムで発表を行う予定だ。
クルマに搭載される76GHz帯ミリ波レーダーは、前方のクルマとの距離・速度の検知によるクルーズコントロールや、衝突が回避できない場合のドライバーへの被害軽減装置などの、安全性向上のために開発が行われている。
ミリ波レーダーは、現在使用されているレーザーレーダーよりも悪天候下でも検知し易い特長を持っているが、目標物を補足するためにアンテナビームのスキャンを行うメカニカルな駆動部を必要としていた。三菱電機では衛星・防衛などの分野で培ってきた技術を活用して、電子ビームスキャン方式対応の76GHz帯ミリ波送受信器を開発した。