ひき逃げ証拠隠滅に加担---中古部品を売買していた男を送検

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大阪府警は6日、ひき逃げ事件を起こしたクルマの所有者に対し、相場の40〜50%増という高額で中古部品を販売していたとして、兵庫県宝塚市のガソリンスタンド経営者を古物営業法違反容疑で書類送検したことを明らかにした。余罪は警察が把握しているだけで60件を超えており、今後は証拠隠滅に加担した容疑などでも捜査を進めていく。

直接の逮捕容疑は今年5月、大阪市内で死亡ひき逃げ事故を起こした容疑者に対し、ガソリンスタンド経営者が事故によって破損した部位のパーツを手配し、転売したというもの。中古品の販売を営利目的で行う場合には古物営業法に則り、公安委員会の許可を得る必要があるが、この経営者は無許可のままパーツ販売を行っていた。

警察の調べによると、経営者は知り合いの解体業者から安い値段で部品を買い取り、それをひき逃げ事故を起こした容疑者などに相場の40〜50%増という高値で販売していた。この経営者は以前からこうした極秘修繕を行っており、それが口コミで広まったものとみられる。

逮捕容疑となった事故の場合、破損の度合いがひどすぎたため、この経営者が持つガソリンスタンドでは交換作業を行うことができず、部品のみをひき逃げ容疑者に売り渡し、信頼できる工場を教え、そこで修理してもらうようにアドバイスした。

ところが修理の依頼を受けた業者は破損部位の状況から「これは重大な人身事故だ」と判断、警察に通報したことから事件が発覚。ひき逃げ容疑者の男も逮捕された。この男に対する取調べから経営者の存在が浮かび、暴利な価格による販売行為を営利目的と認定し、古物営業法違反の適用を決めたという。

《石田真一》

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