愛知県警は29日、勤務していた会社の大型トラックを積荷ごと盗んだとして、44歳のトラック運転手を窃盗の疑いで逮捕したことを明らかにした。犯行の動機は「寝坊したから」というもので、この供述には取調べを担当した捜査員も呆れているという。
これは今月25日、愛知県豊川市の運送会社から「会社の大型トラックが運転手ごと行方不明になっている。電話での連絡も取れないため犯罪に巻き込まれたかもしれない」という内容の捜索願が入ったことから発覚した。警察では行方不明になったトラックのナンバーを愛知だけではなく、周辺の各警察本部にも通知してトラックの行方を追った。
ところが29日の早朝、豊橋市内の駐車場で手配中のトラックを捜査員が発見。運転席で寝ていた男に任意同行を求めたところ、この男が行方不明とされていた運転手であることもわかった。警察でこの男から事情を聞いたところ、驚愕の事実が発覚したという。
男は23日からこの運送会社で勤務を初め、最初の仕事が浜松市内から千葉県内まで衣装ケース1600個（約200万円相当）を運ぶというものだった。23日夕方に豊川市内の営業所を出発、浜松のメーカーに立ち寄って積荷を積んだ後、今度は千葉県を目指した。ところが途中の清水市付近で眠気を感じたため、仮眠を取ったところ見事に寝坊。起きた頃には予定配送時刻を大幅にオーバーしていた。別の運送会社をリストラされ、今の会社に入って初の勤務だったこともあり、この失態で解雇されると思った男は逃走を決意。そのままあてもなく静岡県内をうろうろしていたらしい。
会社のトラックと積荷を持ち逃げしたことがわかり、運転手は解雇されてしまったが、取調べを担当した豊川署では「寝坊しました、ごめんなさいの一言で済む話なのに…」と呆れ気味だ。
