気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2002年3月29日付
●NY自動車ショー、クロスオーバー車、米市場へ日本挑戦(朝日・12面)
●日産、ルノー株13.5%取得へ(朝日・12面)
●シトロエン、日本での全額出資の法人、4月から業務開始(朝日・13面)
●トヨタ、2002年度の採用計画発表、前年度実績1割(読売・8面)
●いすゞ、休部の男子バスケットボール部をプロチーム化(毎日・19面)
●国土交通省発表、燃費の良いガソリン車ベスト10、ホンダ「インサイト」トップ(東京・6面)
●富士重工、アルファロメオ敏腕デザイナーをスカウト(産経・6面)
●自動車、日米の利益逆転、国内3社、米販売が好調、トヨタ営業利益1兆1000億円(日経・1面)
●GM副会長表明「米自動車業界は日本再建の犠牲」(日経・9面)
●ホンダ、タイ工場、初のフル稼働に(日経・13面)
●ユニシア、中国に新工場、厚木の1工場閉鎖へ(日経・13面)
●自工会まとめ、2月の自動車輸出10.2%増加(日経・13面)
●カルソニックカンセイ、橋本フォーミングの台湾子会社買収(日経・13面)
●オートバックス、全社員対象に年俸制導入(日経・15面)
ひとくちコメント
日経が1面トップで「トヨタ、ホンダ、日産の利益の合計が、9年ぶりに米ビックスリーを上回る」と報じている。日本企業の「勝ち組」として自動車の好調ぶりが際立つというわけだが、国内に目を向けても日本企業の総利益の8割近くが自動車によって稼ぎ出された利益という試算もあるほどだ。
このため、GMのロバート・ラッツ(ルッツ)副会長が時事通信社のインタビューで、「米自動車業界が日本の経済再建の犠牲になっている」との不満を表明したそうだが、負け犬の遠吠えにも聞こえる。だが、国内の自動車メーカーでもすべてが「勝ち組」というわけではない。例えば、GM傘下のいすゞ自動車では今春闘で7%の賃金カットを決定、リストラを加速させている。
そのいすゞにも久々に明るいニュースが飛び込んできた。休部を決めた男子バスケットボール部が地域密着型のプロチームとして存続することが明らかになったと、きょうの毎日がスポーツ面で伝えている。ただ、資本金3億円のうち、1000万円は選手たちが出資するなど、再出発するにも前途は険しいようだ。