11日まで開催されている『トラックショー2001』の主役は、トラックそのものを販売する自動車メーカーではなく、荷台などを製造する架装メーカーだ。そのひとつである新明和工業が発売を予定するアルミ製ダンプボディーは、なんと新幹線の車両製造技術を使ったものだという。
このアルミ製ボディは、アルミ中空押し出し型材(ダブルスキン)をFSW(摩擦攪拌溶接)という方式を使って溶接、継ぎ目がほとんどない一枚板を構成している。FSWとは、二つの物体をすり合わせた際に生じる摩擦熱を使って溶接するという極めて新しい技術。同じ方法は新幹線のぞみ号に使われている『700系』というタイプで使われ、鉄道車両の製造分野ではすでに一般化しつつあるという。
アルミ製ボディを採用することで、同じ大きさの鋼鉄製と比べた場合、実に1トンもの重量削減になるという。重量削減は環境負荷の低減に直結するし、もちろんリサイクル面から見ても有望であるのは間違いない。
現在は長さ25メートルのボディを作ることができるそうだが、この数字の根拠は「新幹線車両1両分の長さ」とのこと。つまり工作機械は共通ということなのだ。