クルマから大容量データ受送信……ITS実用化にはずみをつける新技術

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沖電気工業は12日、走行中の車に音声、データ、画像などの情報を無線で送受信する伝送システムを開発したと発表した。郵政省(通信総合研究所)、松下通信工業、東芝と共同で開発してきたもので、道路沿いに一定間隔で基地局を設置し、そこから送信されるミリ波を使って大容量の情報のやり取りをするというもの。

現在、携帯電話、PHS、それに自動料金収受システム(ETC)などは、それぞれ別周波数の電波を使っている。これらは小さな容量のデータを送りこむことしかできないが、今回開発されたシステムでは37GHzという「ミリ波」を使い、大容量のデータのやり取りを可能とした。ミリ波は携帯電話などに使われている「マイクロ波」よりも波長が短く、光ファイバー並みの毎秒500メガビットの送受信が可能であり、これまでの通信機器には難しかった大容量データの送りこみができる。また、車載アンテナには異なる周波数を一括受信したうえ、それぞれの機器が使う周波数に振り分ける変換装置も組み込まれているので、従来の機器も併用できるし、デザイン上もスッキリするなどの特長がある。

同社では、このシステムを用いてITSの高度化を推進していく予定だ。

《石田真一》

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