【メディアウォッチ座談会】『AUTOSPORT』1999年11月11日号:日本GPパーフェクトガイドはパーフェクトか?

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M 表紙に「ホンダF1、2000年参戦体制発表!!」と入ってますね。26日の記者発表が間に合ったのかな。

F 編集部の独自調査に基づく予想記事だよ。

T 吉野社長やビルヌーブが出席したことになっている(笑)。

M 表紙は“やり手”である、と。フェラーリ逆転勝訴は差し込み?

T 巻頭に記事を差し込んだだけでなく、マレーシアGPなど関連記事はほぼすべて書き換えてあります。リザルトも現時点のものです。

M さて、この号は日本GP直前号なのでパーフェクトガイドとうたってあるんだけど、パーフェクトというわりには記事の分量が少ない。よくも悪くもモータースポーツ専門誌だから、F1特集に分量をさけない。

F レースは数多く網羅するのが『AUTOSPORT』の編集方針だからね。

M その「網羅」が弱点。トップ2チームの紹介が合わせて1ページというのはないでしょう。これでは普通の自動車雑誌の紹介の仕方だよ。

F 私は写真に疑問。モータースポーツって誌面の企画ごとにカメラマンを起用できないじゃないですか。同じレースに行った同じカメラマンから同じような写真を買う。「シューマッハ復帰」の記事にいつ、どこで撮ったか分からないような写真を使う。

M そこは兄弟誌の『F1レーシング』がカバーするんだよ。それに編集戦力やプライオリティの違いもある。

T アート・ディレクションもある。

F だけどイメージ写真だけじゃなくて報道写真がほしい。

M うん、記者視点のある写真がほしいというのはわかる。

F 日本のモータースポーツ界で最大のイベントなんだから、もっと準備万端整えて大特集にしなきゃ。

M アーバインなんか日本でずっと走っていたんだからエピソードがいくらでもあるはず。オートスポーツにはそれだけの人脈や資料の蓄積があるはずです。

T 「私の語るアーバイン」ですか。

M かつて日本を走ったドライバーが頂点を極めようとしている、しかも話題のフェラーリ、加えて雑誌の発売がまさにGP直前。木曜日に発売で金曜日からGPは始まるんですよ。まさに千載一隅のチャンスじゃないですか。

T やはり兄弟誌で速報誌の『AS+F』がどう出るか。

M いや『AS+F』がどう出ようと『AUTOSPORT』は日本を代表するモータースポーツ誌なんだから。東京モーターショーでは一般自動車誌はどこも別冊を出したり、特別の編集体制を敷いたりしたじゃないですか。綴じ込みで小冊子を付けてもいいでしょう。

T ブック in ブック。

F 逆にまったく無視する手もある。F1報道は最初の6ページだけで。

T ホンダ参戦とフェラーリ逆転の速報記事ですね。あとは『AS+F』と『F1レーシング』にまかせる、と。

M そんなことはできない。

T 私は三栄書房のF1誌3誌体制に見直しの余地があるような気がするなあ。

F 次号(11月11日発売)では日本GP詳報をやるということだから、それに期待しようよ。

T 西内編集長はauto-ASCII24に協力してくれているのに、ずいぶんきついこと言っちゃいましたね。期待ゆえの苦言ですね。もうすでに一定の水準に達している雑誌だから、さらに上をめざして欲しいわけです。

M 日本GP以外の記事は?

F 各種レースの結果。

T 東京モーターショー。もちろんレースカーの紹介。私には読みごたえのある号でした。

座談会メンバー
M:三浦和也(auto-ASCII24)
F:藤田耕治(auto-ASCII24)
T:高木 啓(auto-ASCII24 まとめ)

《高木啓》

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