令和7年7月15日(火) 「猪苗代湖」ラムサール条約湿地に登録



~福島県では2か所目、国際的に重要な湿地として認定~

令和7年7月27日
福島県自然保護課

会津若松市、郡山市、猪苗代町と福島県が連携し手続きを進めていた「猪苗代湖」のラムサール条約湿地への登録については、令和7年7月15日に、ラムサール条約における「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に掲載され、条約湿地登録となりました。これは、国内では54か所目、福島県内では尾瀬に次ぐ2か所目の登録となります。

7月26日(土曜日)には、アフリカ大陸ジンバブエ共和国で開催されている「ラムサール条約第15回締結国会議(COP15)」内において、登録証が授与されました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202507252737-O1-MO9ruRUn

■登録の概要

登録名:猪苗代湖(Lake Inawashiro)

所在自治体:会津若松市、郡山市、猪苗代町

面積:10,960 ㏊

保全の状態:磐梯朝日国立公園

登録の状況:国内では54カ所目、県内では尾瀬に次ぐ2カ所目

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202507252737-O4-wSNHTwky

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202507252737-O3-SgrR318U

■COP15の概要

開催期間:7月23日(水)~7月31日(木)※現地時間

会場:ジンバブエ共和国ビクトリアフォールズ

授与式 等:7月26日(土)に開催される環境省主催のサイドイベント等において猪苗代湖のPR等を実施(現地時間 13:30~,日本時間 20:30~)し、その後、ラムサール条約事務局長との会談が設けられ、3市町及び県に登録証が授与された。

参加者:会津若松市市民部長、郡山市環境部長、猪苗代町企画財務課参事兼課長、福島県自然保護課長 ほか

 

■ラムサール条約とは

ラムサール条約は、1971年にイランのラムサール市で採択された国際条約で、水鳥の生息地など湿地の保全を目的としています。また、地域の人々の生業や生活とバランスのとれた保全を進めるために、湿地の「賢明な利用(ワイズ・ユース)」を提唱しており、そのための交流、能力養成、教育、参加、普及啓発を進めることを大切にしています。

猪苗代湖は、水鳥の渡来地としての価値や、周辺の生態系とのつながりが評価され、登録に至りました。

 

■猪苗代湖の特徴

猪苗代湖は、日本で4番目に大きな湖であり、豊かな水生生態系を育み、さまざまな野鳥や水生植物の生息地としても知られています。北岸には特に浅瀬が広く分布し、湖の面積が広く水深も深いことから湖全体の水温は冬期でも下がりにくく全面凍結しない不凍湖であることから、ハクチョウ類やカモ類にとって重要な越冬地となっています。また、猪苗代湖とその周辺には、111種の鳥類を含む197種の動物が生息しています。植物については、水生植物が100種生育しており、アサザの開花個体の国内最大の生育地ともなっています。湖岸の岸の陸生植物等については、705種が確認されており、地域における生物多様性の保全に重要な場所となっています。湖水は、水力発電に利用されているほか、灌漑用水に加え、会津若松市や郡山市の生活用水にも利用されています。また、流入河川の河口付近には砂浜が多数形成され、天神浜などに代表される白砂青松の優れた自然景観が福島県の有数な観光地となっているほか、湖水浴や水上アクティビティの場として、湖畔はキャンプ場として利用されるなど、地域経済の発展に大きく貢献しています。

 

■今後の取組

このたびのラムサール条約湿地への登録により、猪苗代湖の自然環境に対する保全意識の醸成はもとより、国際的な認知度向上による来訪者の増加や学校教育、生涯学習の場としての活用など、地域のさらなる活性化が期待されます。 引き続き、福島県にとってかけがえのない財産である猪苗代湖の美しさ、豊かさを、未来にしっかりと引き継いでいけるよう、地元自治体や関係団体の皆さんと共に力を合わせ、取り組んでいきます。