
2.0リットル直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジン。アルミ製クランクケースの採用など軽量化も積極的に行われている
排ガス処理技術「BMW BluePerformanceテクノロジー」を採用。黒煙やすすの主成分である粒子状物質はDPF(粒子状物質除去フィルター)でフィルターに吸着し、エンジン制御で燃焼・除去。NOx(窒素酸化物)は、NOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒で一時的に吸蔵した後、水、窒素、二酸化炭素に還元して排出される
近年、ディーゼル・モデルは、欧州乗用車市場で販売の主力となるなど高い人気を誇っている。その理由は燃費性能や経済性だけでなく、最新の直噴ディーゼル・エンジンならではのパワフルな走りによるところが大きい。今や高級セダンだけでなく、スポーツ・モデルにおいても積極的にディーゼル・エンジンが選ばれる時代だ。逆に日本では、1990年代に黒煙やすすを吐き出すエンジンというイメージが広がり、またそれを受けた排ガス規制の厳格化によって、2000年代に入るとほとんど市場から消えてしまった。
しかしその後、世界中でディーゼル・エンジンの排ガス規制が厳しくなり、それに対応する形でディーゼル・モデルの環境性能が飛躍的に向上。そして数年前までクリアが困難とされてきた次世代の環境基準を、ついにパスするクリーン・ディーゼル車が今年になって現れた。新しい3シリーズに追加されたニュー BMW 320d BluePerformance(ブルーパフォーマンス)がそうだ。
ニュー BMW 320d BluePerformanceが搭載するのは、2.0リットル直列4気筒BMW ツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジン。最新のコモンレール・ダイレクト・インジェクション・システムと、エンジン回転数に応じて過給圧を最適に制御する可変ジオメトリー・ターボチャージャーを採用し、最高出力はガソリン・ターボ・エンジンの新型320iと同じ135kW(184ps)/4000rpmを達成。また最大トルクは新型328iを上回り、従来の6気筒ガソリン・ターボ・エンジンに迫る380Nm(38.7kgm)/1750-2750rpmを発揮し、湧き上がるようなトルク感を実現している。
また尿素の補充といった定期的なメンテナンスを不要としながら、世界で最も厳しい排ガス基準の一つである日本のポスト新長期規制をクリア。これはNOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒など、新開発の排出ガス処理技術「BMW BluePerformanceテクノロジー」を採用することで実現されている。環境性能という点でも、間違いなく一つの到達点に達したエンジンと言えるだろう。
また他の新型3シリーズ同様、高効率8速オートマチック・トランスミッション、エンジン・オート・スタート/ストップ機能、ブレーキ・エネルギー回生システムを採用。これによってJC08モード燃費は、国内のクリーン・ディーゼル・モデルでトップの19.4km/リットルとなっている。このニュー BMW 320d BluePerformanceから日本のディーゼル・モデル市場は大きく変わり始めるに違いない。



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